石垣市文化財審議会(石垣博孝委員長、委員10人)は12日午後、市教育委員会で第1回会議を開き、市教育委員会から諮問のあった長田家の古墓(仮称)の指定と、宮良浜川原のヤラブ(テリハボク)並木の追加指定を全会一致で決定した。ヤラブ並木の追加指定については16日、玉津博克教育長に答申。26日の定例会で承認され、今月中にも正式に追加指定される見込み。長田家の古墓の答申時期は未定となっている。
長田家の古墓は、長田大主の子孫が古来大事に守ってきた墓で、現在は家譜を受け継いでいる長田信洋氏が管理。背後にバンナ岳を控えた高台に建てられており、亀甲状の屋根がなだらかな形状であることから、亀甲墓の中でも古くからある手法で造られた要素を持つ。
このため、長田大主の墓と考えられているが、直接関係する資料は確認されていない。八重山諸島で唯一の形状で、墳墓の形成を知る上でも重要とされている。
審議会のメンバーは文化財指定に先立ち、古墓を視察。文化財課職員が琉球石灰岩やチャートという岩石で造られていることなどを説明した。
ヤラブ並木の追加指定は、リゾート型分譲マンションの建設に伴い、フェンスの設置で並木が分断される恐れがあったため、市教委の要請に土地所有者が応じ、フェンスを最小限の高さにした。
ヤラブ並木は、明治初期に宮良村の人たちが旧道路の開通を記念し、道路両側に植栽したのが始まりとされ、幹周りが1㍍を超える巨木は、樹齢100年を超すと推定されている。