「ネット依存症」患者が、急速に増えているらしい。自分の意志でインターネットをやめることができなくなり、日常生活に支障をきたし、ネットをしていないと不安でイライラするという▼スマートフォン(スマホ)の普及に伴い、世界的規模で患者数は拡大を続けている。人が集まるところでは、多くの人が下を向いて携帯電話を見ている。喫茶店などで、カップルらしき若者が無言でスマホを触っている光景も見かける▼最近、この光景にものすごく違和感を覚えるようになった。ネット歴は長く、スマホにも真っ先に飛びついた。確かに便利だ。いろいろなことができる。なのに興味は次第に薄れつつある▼先日は、NTTの通信回線故障で八重山は混乱した。ネットが仕事、日常生活に不可欠になっているためだが、「スマホがつながらない」「フェイスブックができない」といら立つ人の姿を見ると、引く▼ネット熱は中学生にまで低年齢化、スマホや一般的な携帯電話を持っていないと「仲間はずれになる」との恐怖感があるらしい。親に携帯をねだる最大の理由という▼この数年、小学生へのIT教育がよく話題になっている。しかしその長短所がよく論じられぬまま、いつのまにか機材だけが普及していく。何ら問題はないのだろうか。(黒島安隆)
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