【与那国】航海安全や豊漁を祈願する金刀比羅神社祭が12日午前、久部良のナーマ浜で行われた。あいにくの小雨模様となったものの、金刀比羅神社への参道となっている階段には今年も大漁旗が飾り付けられ、漁師たちは夜明け前の早朝から続々と参拝した。
久部良の金刀比羅信仰は、戦前の久部良でかつおぶし製造業を成功させた宮崎県出身の発田貞彦(1895~1971年)が始めたものと言われ、与那国町漁協(中島勝治組合長)が毎年旧暦の10月10日に神事を行っている。
式典は同日午前9時半から行われ、中島組合長は「これまで1年間、漁船の事故もなく、きょうの祈願では来年の無事故と豊漁を祈った。これからもみなさんと一致協力して頑張っていきたい」とあいさつ。
外間守吉町長は「戦前から引き継がれた伝統文化を守り、船や(陸上の)交通などすべての安全を願っていきたい」と祝辞を述べた。
この後、奉納相撲があり、漁民や地域から集まった人たちは一進一退の好取組に歓声を上げた。
同祭では例年、小中学生が参加してパレードや奉納相撲を行うが、今年は雨のため、取りやめとなった。
年間漁獲高の上位3人に対する表彰も行った。表彰者は次の各氏。
①上原正且(第三正丸、9342㌔)②大宜見浩利(玉伸丸、7424㌔)③尾野文建(暁丸、6461㌔)