■今の時代にふさわしい議員は
任期満了に伴う3市町議会議員選挙は31日の石垣市に続き、2日には竹富町、与那国町が告示され、それぞれ超短期の激しい選挙戦がスタートした。
今回の選挙は石垣市が22人の定員に29人、竹富町が12人の定員に16人、与那国町が6人の定員に7人とそれぞれ少数激戦となった。いずれも5日後の7日に投票が行われ、石垣市と与那国町は同日夜、竹富町は翌8日に新しい議員が選出される。
各候補者は街頭に選挙カーを繰り出して支持を呼び掛ける一方、電話戦術などで生き残りに激しくしのぎを削っている。3市町ともやはり現職が優位だが、その中にあって新人候補や女性候補がどういう戦いを展開するか。
一方で私たち有権者も大切な1票を誰に託すか。「子どもの貧困」と「貧困の連鎖」が深刻化する今の格差社会や、安倍政権の強引な手法で「戦争しない国」から「戦争する国」に180度転換したわが国の大きなうねりの中で、誰が今の時代にふさわしい議員なのか、誰が私たちや市町の発展に頑張ってくれるのか選択する必要がある。しっかり見極めて投票に臨みたい。
■竹富町の与野党逆転あるか
今回の選挙で注目は竹富町で与野党逆転があるかどうかだ。一昨年2期目の当選を果たした川満町長だが、現在与党4人、野党8人の少数与党で厳しい町政運営を余儀なくされており、今回与党系7人、野党系7人、中立2人の計16人が立候補した今選挙で、町長も逆転を目指して与党候補を懸命にテコ入れしている。
与党多数の石垣市は、29人のうち与党系が16人、野党系9人、中立4人で今年3月再選を果たした中山市長の与党多数は動かない。革新野党は長期政権のつけが立候補者数に表れた形だ。
ただ石垣市では新しい議員の任期中に自衛隊配備が具体化するのは必至であり、自衛隊容認の保守市政の中で選挙結果は配備計画を大きく左右する。
本紙アンケートで自衛隊配備は12人対9人で反対が賛成を上回っているが、与党系の7人が回答を保留しているため配備が具体化すれば、小さな「観光の島」も島を二分して住民同士が対立という不幸な状況に陥りそうだ。
与那国町も7人の候補者のうち与党系4人、野党系2人、中立1人となり現在の与党優位は動かない。与那国は反対の声を尻目にこのまま「自衛隊の島」へと猛進することになるのか。
■政策や実績にも目を
議員選挙は小さな自治体になればなるほど地縁・血縁、友人・知人という人間関係で選択しがちだ。しかし議員や議会は住民に代わる監視機関として行政のありようをチェックし、さらによりよいまちづくりに住民の声を反映させるのが仕事。それだけにぜひ候補者の政策や人柄、政治姿勢、実績にも目を向けるべきだ。
議会の大半を占める現職議員の働き具合はどうだったか、自己の利益でなく、住民の利益のために活動していたか、前回躍進した新人の活動ぶりはどうだったか、さらに新しく議員を目指す新人は議員にふさわしい人物かどうか、しっかりチェックして5日後の投票に臨む必要がある。