平喜名揚水機場の落雷被害で農業用水の送水が停止している地域では、農家が農業用給水所を車で往復して対応している。サトウキビ農家では、夏植えの時期を揚水機場が復旧する9月に延期するなどの対策を取るケースも出ている。送水がストップした14日以降もまとまった雨が降っておらず、石垣島土地改良区は引き続き、給水所の活用や節水を呼びかけている。
宮良地区で肉用牛150頭を飼育する畜産農家によると、1日に使う水の量は5~6㌧。車両2台で三和・川原地区近くの給水所をピストン運行して確保しており、「頭数が多いところはもっと大変だろう。揚水機場では代わりのモーターを持ってくることはできないか」と話した。
200㍑のタンクで給水所を毎日10往復しているという畜産農家は「もう大変。復旧が遅れないようにしてもらいたい。最低でも予定通りの復旧を」と訴えた。
一方、16日から石垣ダムの配水圧抑制でスプリンクラーが使えなくなっている地区では、水稲のほか、サトウキビを生産する男性(48)が「時々雨が降っているので、キビは今のところ大丈夫だが、今後が心配なので、夏植えはスプリンクラーの水が使えるようになってからにしようと考えている」と話した。
石垣島地方気象台によると、14日から17日までの降水量は盛山で8.5㍉、登野城で5.0㍉。沖縄気象台の発表によると、沖縄地方の週間天気予報(19―25日)はおおむね晴れの見込みで、降水量は平年より少ないとの予想。八重山地方では21日が晴れ一時雨の予報で、50%の降水確率となっている。