宮良川の河川水をくみ上げて農業用水を供給する平喜名揚水機場は14日、11日の落雷で電気系統が故障したため、宮良配水池と石垣ダム(有効貯水量40万㌧)への送水を停止した。9月11日までの4週間、宮良配水池から供給を受けている宮良や白保などの土地改良農地約500㌶で水が使用できなくなる。さらに、バンナ岳から南方の農地約1270㌶に農業用水を確保している石垣ダムの貯水量にも今後、影響が出る恐れがある。農家からは「早めの復旧を」と望む声が上がっている。
石垣市むらづくり課などによると、落雷により電気系統施設のほか、停電で稼働中の揚水機が停止したため送水していた水が逆流して一部に漏水があり、これらの復旧に時間を要するという。
平喜名揚水機は宮良川から毎秒最大1.248㌧を取水し、宮良配水池に毎秒0.348㌧、石垣ダムに同0.8㌧を送っている。
石垣島土地改良区(理事長・中山義隆石垣市長)によると、農業用水の停止でサトウキビの夏植え、二期米の作付け、畜産などに影響が懸念されるという。
白保地区でサトウキビを作っている多良間健一さん(81)は「最近は雨が降っているから大丈夫だと思うが、9月に入ってから夏植えをするので、それまでには復旧してもらいたい」と要望。宮良牧中地区でサトウキビを生産する50代の女性は「4週間?」と停止期間の長さに驚き、「天災だから仕方ない。その間に雨が降れば」と話した。
石垣島土地改良区は、農業用水停止地区外の農業用給水所の使用を呼びかけているほか、石垣ダムから供給を受けている地区に対しても「節水に努めてほしい」(大城守事務局長)と協力を求めている。
改良区によると、石垣ダムは水量計が故障しているため、現在の貯水量は把握できていないが、目視で満水時から5㍍ほど水位が下がっているという。