先月末から今月初めにかけて「空室大募集」の広告が２カ所の不動産屋から本紙に相次いで掲載された。この手の広告はあまり見たことがないので調べたところ、過剰と思われていた市内のアパートやマンションが現在、意外にも大幅に不足していることが分かった▼その理由は、“新空港効果”などで昨年から徐々に需要が増えてきていたのに加え、新年度に入り石垣海上保安部が尖閣警備強化で大幅に人員増となり、急激に需要が増えた▼これに対しアパートやマンションは、消費増税などで建築単価がアップしたことで新築の手控え現象が進み、この結果前記の広告となった▼石垣海保の尖閣警備体制は、現在大型巡視船３隻の２００人体制が、来年度までに同巡視船12隻、６００人の専従体制に増強される▼そのため石垣港に各種施設が整備され、宿舎も何棟か新築されるが大幅に不足の上、工事は来年以降となる。そのためアパートなどを借り上げて対応することになる▼石垣市にとっては思わぬ尖閣の経済効果だが、しかしそれを手放しで喜んでいいものか。それは専従体制が対中関係悪化の産物だからだ。経済効果は当然大事だがそれも平和あってこそ。しかしそれは今の安倍政権には望めず一日も早い退陣をお願いして日中関係も早く平和がほしい。（上地義男）
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