スマムニ(島の言葉)の継承などを目的とした石垣市婦人連合会(金城綾子会長)の講演会「宝ヌスマムニ~未来へつなごう~」が3日午後、大浜信泉記念館多目的ホールで開かれ、会員や市民など100人以上が来場した。石垣市市史編集委員や石垣市文化財審議委員などを務める石垣博孝氏が講師を務め、「自分たちの文化を守るうえで、スマムニは重要」などと指摘した。
石婦連では、地域の文化を継承するうえで、文化の基礎となるスマムニは不可欠と位置付け。近年はスマムニを使う機会が減っていることから、パンフレットの作製や講演や研修を通してスマムニの継承に取り組む方針。公民館や老人クラブ、青年会との連携も視野に入れている。
石垣氏は講演で、八重山の古典民謡などで使われているスマムニが沖縄本島や宮古と違うことや、与那国や波照間を例に挙げながら八重山の中でも島ごとにスマムニが異なることを紹介。
また、「方言札」などの方言廃止運動でスマムニを話す人が少なくなったとみられていることを説明した。
そのうえで、石垣氏は「自分たちの文化を守っていくためにも、スマムニは重要なもの。継承していく活動を頑張ってほしい」と話した。
講演会では、宮良婦人会が取り組んでいる「方言を話せる嫁さんづくり」の活動や、スマムニでの話し言葉やあいさつなどを収録したCDを作製する活動などの紹介もあった。
講演会に参加した60代女性は「親からユンタなどを教えてもらったが、断片的な意味しか分からなかった。講演会でいろいろなことを学べて良かった」、50代女性は「地域によって方言が少し違うので、宮良婦人会のような取り組みが必要と感じた」とそれぞれ感想を述べた。