「母ちゃんと/買い物帰り/星を見る/あった見つけた/夏のさそり座」。「南の島の星まつり2014」の新たな企画として、歌人の俵万智さんを選者に初めて募集した短歌「星の歌」の選考結果が3日、発表され、最優秀の国立天文台長賞に宮城風花さん(波照間中学校1年)の作品が選ばれた。
俵さんは「日常のなかに、星を見上げる時間があるんですね。ほほえましい親子のひとときが、生き生きと伝わってきます。『あった見つけた』という会話体が効いていて、読者もその場にいるような気持ちになります」と評した。
表彰式は石垣市内のホテルで行われ、宮城さんは「最初は悩んだけど、お母さんと共同売店に行って帰るとき、お母さんから『星が見えるよ』と言われ、さそり座を見つけたことを思い出し、10分くらいで書いた。うれしいです」と喜んだ。
「星の歌」には123首の応募があり、最優秀を含む6点が入選した。俵さんは「最優秀作品は、島ならではの風景。弾んでいる気持ちが伝わってくる。文学や歌の目でみる星空もすてき。科学と文学の両方の目でみれば豊かな星空が観察できるのではないか」と話した。
ほかの入選作品(石垣市長賞)は次の通り。
「画用紙になんどもかいた月旅行/土星のわっかでおにぎりきゅうけい」(杉原彩)
「ビッグバンひとつの点から生まれ落ち/星もぼくらも宇宙のこども」(寺家彩)
「ねころがり/星空見上げ/目をつぶる/はりついている/地球に私」(大辻智津子)
「満天の/星を味方につけたから/何でも言える/『好きだ』と言える」(菊地麗子)
「島中を/白く優しく包みこむ/月光に/今夜三線ひびく」(波照間千夏)