旅券（パスポート）を受け取る際に必要となる県収入証紙の取り扱いが２０１３年７月から市町村でも可能となり、石垣市役所では７月22日から市役所売店で購入できるようになっている。これまでは銀行などで入手せざるを得ず、不便を強いられてきたが、市役所内でワンストップサービスが受けられるようになった。一方、竹富町と与那国町は役場内で取り扱っておらず、今後の検討課題としている。
旅券の申請・交付は県からの権限移譲により、竹富町と与那国町で10年４月から、石垣市では11年４月から行えるようになった。３市町の担当課によると、年間の申請件数は平均で石垣市１０６０件、竹富町１０８件、与那国町62件。
旅券の発給を申請して受け取る場合、手数料として収入印紙と県収入証紙が必要。県証紙はこれまで金融機関や漁協など役所・役場以外の場所でしか入手できなかった。石垣市によると、受け取りに数時間を要したケースもあったという。
このため、県内市町村は役所・役場内で購入できるよう要望。県は昨年７月、市町村や役所・役場内の売店が申請すれば県証紙の売りさばき人として指定するとの通知を出していた。
これを受け、中山義隆市長は、売店を運営する自治労に指定申請を依頼、自治労が県に申請して認められた。前花宏明市民課長は「ワンストップサービスにより、市民サービスの向上につながるのではないか」と話している。
竹富町の場合、町内では西表の東部と西部の両出張所、町役場付近では石垣市内の金融機関や市役所売店など、与那国町では与那国町漁協でしかそれぞれ県証紙を購入できない。役場内での取り扱いについてはそれぞれ「今後、検討したい」（竹富町）。「住民から要望があれば検討したい」（与那国町）としている。