石垣字会(池城孝会長)は10月26日に6年ぶりとなる結願祭を開き、1916(大正5)年に作られたものの、現存が確認されていない「みょうら旗頭」を99年ぶりに復元して披露する。森永用朗副会長によると、みょうら旗頭は国王が出てくる時の飾りの付いた大きな傘をイメージしたものという。直接見たことのある字民は現在おらず、幻の旗頭とされている。息子の長安さん(45)とみょうら旗頭を制作する宮良長吉さん(85)は「見たこともないので不安な部分もあるが、図面や写真を見て2人で協力しながら頑張りたい」と話している。
宮良さんは「石垣村の旗頭記」に書かれた図面を基に、6月から復元作業に着手しているという。
結願祭では、士族の少女、思鶴(うみちる)に理不尽な仕打ちを繰り返す継母の乙樽(うとぅだる)が夫、伊祖の子の戒めや子どもたちの愛情で改心する内容の組踊り「伊祖の子(いずぬしー)」も上演する。最近では2011年7月の豊年祭で披露されており、結願祭では119年ぶりとなる。
同字会は結願祭に向けて、字民135人で実行委員会を結成。本島の字出身者で組織する在本島宮鳥会(内原英吉会長)の会員も連携して行うという。
7月31日午後、石垣公民館で開いた会見で池城会長は「以前からみょうら旗頭の新調を望む声が多かった。伝統旗頭の掘り起こしという意味で非常に有意義なことと感じている」と話した。