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イメージダウン懸念 ニシ浜で死亡事故の波照間

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水難事故に対する予防策が住民から求められている波照間島ニシ浜ビーチ=2013年12月5日撮影

 夏休みシーズンが幕開けした19日に波照間島のニシ浜ビーチで観光客とみられる男性が死亡した事故を受け、地元住民からは事故増加への懸念や「観光地での死亡事故は観光客に悪い印象を与える。食い止める策がほしい」(50代男性)と再発防止策を訴える声が挙がっている。竹富町消防・防災係は「現場の状況を確認して地元住民の話を聞き、関係課と対策を検討したい」と事故防止に乗り出す方針だ。(砂川孫優記者)

 

国内4位の人気

 

 地元の民宿関係者などによると、夏場のシーズンを迎え、同ビーチには1日に約100人の観光客が訪れ、ビーチの入り口に隣接する駐車場にはレンタサイクルの列ができるほど。ビーチ内には浮輪の貸し出しや飲食などを提供する業者はなく、プライベートビーチのような雰囲気が観光客に人気だという。

 町商工観光課によると、波照間島には2008年以降、年間3万人近い観光客が来島。同ビーチは世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」の「トラベラーズチョイス世界のベストビーチ2014」の国内ランキングで4位に選ばれている。

 

過去にも死亡事故

 

 同ビーチでは、08年には本土からの修学旅行生が離岸流とみられる強い潮の流れで沖に流され、死亡する事故が発生し、リーフカレント(サンゴ礁の環境内から外洋に流れ出す離岸流)の危険性が指摘されている。

 町消防・防災係によると同島で過去5年間で発生した水難事故3件(3人死亡)のうち2件が同ビーチで起きている。ただ、町指定海水浴場ではないことから、看板で注意を呼びかけるなどの対策は行われていないのが現状だ。

 同島で民宿を経営する30代の男性は「観光客は事故のことや海の情報は知らないのである程度、注意はしている」と話す。

 

「危険、明確に」

 

 60代の男性は「町営ビーチではないが何らかの対策が必要。監視員を常駐させてほしい」と要望する一方、「観光客が多すぎるのも逆に問題なのかもしれない」と増加する観光客に懸念を示した。

 特定非営利活動法人沖縄ウォーターパトロールシステムの小山豊理事は「観光客はビーチの特徴が分からないまま海に入るので危険を予測するリスクマネジメントが薄い。危険箇所を明確に伝える人を常時配置することが予防効果の第一歩」と監視員配置の必要性を強調した。

 町消防・防災係の前泊明和係長は「過去に消防団員が見回りをしていたが現在は難しい。観光客が増加するなか、水難事故は観光地に打撃。対策を講じたい」と話している。


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