元気でいればどのような人生を歩んでいたのか。未来を断ち切られた無念さを思うと胸が痛くなる▼先日、親の育児放棄などが理由で自宅や路上に置き去りにされた18歳未満の子どもが、2011年度からの3年間に24都道府県で395人いたとの報道があった▼集計で確認できた数は大阪が113人で最多、次いで東京の90人、埼玉の40人と続いた。沖縄はゼロだった。内容的には、長時間放置され熱中症で死亡したり、餓死したりしたケースもあり、幼い子どもが生命の危険にさらされている実情が浮き彫りになった▼今年5月には、神奈川県厚木市のアパートで死後7年以上たった男児の白骨遺体が見つかり、放置した父親が逮捕された。さいたま市では昨年8月、1歳8カ月の女児がエアコンのない自宅に18時間放置され、熱中症で死亡している▼横浜市で11年、段ボール箱に入れた状態で自宅に残された生後9カ月の男児が死亡、両親は朝から夕方までパチンコに出かけていた。同様の事件が今年6月、県内でも発生。本島南部のパチンコ店で40代の母親が生後5カ月の男児を軽乗用車に放置。異変に気づいて病院に運んだが死亡が確認された▼子どもは親を選ぶことはできない。命を絶たれた子は「不幸な星の下に生まれた」とあきらめざるを得ないのか。心が痛む。(鬚川修)
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