与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備に向け、沖縄防衛局が本年度に監視施設や隊舎、体育館、整備場、倉庫、鉄塔建設など26件・72億1000万円以上の工事発注を計画していることが分かった。防衛局が本年度関連工事の発注見通しをホームページ上で公表したもので、現在、部隊配備が計画されている南牧場では造成工事が進められており、本年度の関連工事の発注で、2015年度中の部隊配備が一気に加速しそうだ。
沿岸監視部隊は南牧場の町有地を中心に配備され、敷地面積は久部良の駐屯地と監視所が約25㌶、祖納の監視所が約1㌶の合わせて約26㌶。
久部良の駐屯地と監視所では、2階建ての庁舎(延べ床面積約2000平方㍍)や隊舎(同約3000平方㍍)、局舎(同約600平方㍍)、訓練施設(同約500平方㍍)、全天候型400㍍トラックのグラウンド、空自レーダーパット1基などの整備が計画されている。
南牧場の町有地は町と防衛局が賃貸契約を締結。周辺に柵が設けられ、現在、敷地造成工事が進められている。
また、隊舎や鉄塔などの建造物については、町景観計画区域審議会(真謝喜八郎会長、委員15人)で景観基準などを審議しており、防衛局では「与那国町の景観条例に沿ったものになるよう配慮している。細かい部分などは審議会や町と調整していくことになる」としている。
沿岸監視部隊は150人規模。付近を航行する艦船や航空機の動向をレーダーで監視する役割を担う。15年度末までに配備する予定。