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かりゆし病院が移転を計画

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石垣空港跡地内の県立八重山病院近接地に移転を望んでいる、かりゆし病院=2日午後

 石垣市新川でかりゆし病院を運営する医療法人上善会(崎濱秀一理事長)は、現施設が手狭で拡張スペースもないとして、移転を計画している。当初は真栄里の低地で予定したが、2011年3月11日の東日本大震災を受け断念。石垣空港跡地に新築される県立八重山病院と連携を強化したいと近接地への移転を希望、石垣市に要請している。

 かりゆし病院は1998年10月、術後の治療に専念できる療養型病床群として開院。療養病床は88床、一般病棟22床を有する。当初のスタッフは60人だったが、介護老人保健施設、介護サービス施設も展開し、現在は300人超となっている。

 敷地は借地しているが、事業の拡大や利用増などに伴って手狭となっており、増改築などに対応できるスペースもないという。さらに、建物が斜面にあるため、出入り口のアクセスに支障があるという。

 現在の敷地は1万3414平方㍍だが、移転に際しては2万6446平方㍍を確保し、敷地内には病院棟、介護老人保健施設棟、グループホーム棟を建築する計画だ。野外のリハビリテーションスペースなども完備する。

 県立病院の近接地に移転するメリットについてかりゆし側は、急性期病院の県立との連携強化を挙げ、「急性期の治療が終了した患者をより速やかにかりゆし病院に引き継ぐことができ、患者の予後(病後の経過)の改善が図られる」とする。さらに県立とともに災害医療の拠点の一部を担うこともでき、医療ツーリズムの導入など新たな事業の展開も可能という。

 崎濱理事長は「市の跡地利用計画に入れてもらって市が(県や国などの土地を)譲り受けた後、払い下げてもらえないか」と要望。これに対し市は、空港跡地は大部分が国、県所有となっている上、跡地利用計画も具体化していないことから「慎重に検討していきたい」(嘉数博仁企画部長)としている。

 一方、空港跡地周辺に商業機能のほか病院機能まで集約されることになる移転計画をめぐっては、公共施設に乏しい新川西地区の住民から不安が出ることも予想される。

 これに対し、橋本孝来院長は「病院にはそれぞれの役割がある。かりゆしには回復期の治療という社会的使命がある。県立で急性期の治療を受けた後、速やかにかりゆし病院で回復期の治療を受けることができ、患者にとってもメリットが大きい」と説明している。


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