郡内唯一のコミュニティー放送局、(有)石垣コミュニティーエフエム(東太田政三代表取締役)が運営するFMいしがきサンサンラジオは8日、台風8号の影響でホテル日航八重山内のスタジオからバンナ岳頂上の沖縄県石垣テレビ中継局につなぐ専用通信回線が不通となり、同日午前9時15分から生放送中の番組の中断を余儀なくされた。この時間帯、石垣島地方は暴風域に入っており、台風に関する情報を流している最中のハプニング。同社は急きょ中継局に機材を運び、送信機に直接つないで対応、同日午前10時50分ごろ放送を再開した。
同社は2008年6月に石垣市と災害防災情報等の放送に関する協定、11年4月には地震・津波などの緊急情報の割り込み放送に関する協定をそれぞれ結んでいる。
このため同社は、台風時には暴風域の最中にも生放送を行い、石垣市や石垣島地方気象台など防災機関の情報を逐次流し、住民に注意を喚起。身近な情報を提供しているため、台風時にはリスナーが多くなり、特にテレビが使えなくなる停電時に頼りにされている。
同社が通信回線の切断などによる不具合で放送を中断したのは今回で3回目で、うち2回が台風によるもの。今回は思ったより風が強くなかったため、スタッフやパーソナリティーを中継局に向かわせることができたが、東太田代表は「職員の身の安全を考えると、直撃していた場合は行かせることはできなかっただろう」という。
東太田代表は「台風時には停電に備え、発電機も用意しているが、通信回線が不通になるとアウト。防災情報を流す役割もあるので、回線を強固にするなど改善できないか通信事業者に要望したい」と話し、同社と協定を結んでいる石垣市も「放送が中断した原因を確認した上で今後の対応を検討したい」(慶田城用允防災危機管理室長)としている。