大型で非常に強い台風8号は8日早朝から約6時間にわたり石垣島地方を暴風域に巻き込みながら北上し、八重山地方から遠ざかった。石垣市登野城では同日午前7時に北西の風34.5㍍、竹富町大原で30.6㍍、与那国町祖納で29.8㍍の最大瞬間風速をそれぞれ観測した。空と海の便は全便欠航。空の便は3400人以上の足に影響が出た。9日は航空各社とも平常通りの運航を予定している。離島航路も早朝の便を取りやめ、その後は天候で判断する。路線バスも始発から運行休止したが、暴風警報が解除された午後3時すぎには平常通り運行した。
郡内の幼稚園や学校は臨時休校。官公庁やほとんどの民間企業も休業となった。
3市町によると、台風による人的被害は報告されていない。電線の切断などで同日午後4時に石垣市名蔵で100戸が停電したが、同日午後5時には復旧した。
農作物はサトウキビが倒伏、収穫期にあるマンゴーの果実の一部落下やパインアップルの折損などがみられるが、被害は最小限度にとどまる見込み。
石垣市では7日夕方と夜に60代男性1人と80代女性2人の計3人が市健康福祉センターに自主避難した。
新川で1人暮らしをしている女性は「大きな台風が来ると聞いて、不安になったので避難してきた。無事に朝を迎えられて良かった」と話した。
石垣島地方気象台によると、石垣島地方は8日午前5時に暴風域に入り、同日午前11時には暴風域を抜けた。
与那国島地方は暴風域に入らなかった。
降り始めからの24時間雨量は石垣市盛山で79.0㍉、川平77.5㍉、大原68.0㍉、登野城55.5㍉、伊原間43.5㍉だった。
一方、台風の接近で南ぬ島石垣空港を発着する空の便はすべての便が欠航。日本トランスオーシャン航空(JTA)で22便1656人、全日空(ANA)で26便1500人、琉球エアーコミューター(RAC)が14便312人の足に影響が出た。スカイマークは16便が欠航した。