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於茂登岳でトラップなど確認 自然環境保全審議会の委員

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放置されたトラップをみる自然環境保全審議会の委員ら=7日午前、於茂登岳

 石垣市自然環境保全条例に基づき、来年3月までに自然環境特別保全地区と希少野生動植物保全種の指定を検討することになっている石垣市環境保全審議会(渡辺賢一会長、委員11人)の渡辺会長ら委員6人は7日、昆虫などがどのようなトラップで採集されているか把握しようと、於茂登岳周辺を見て回った。

 8月の2014年度第1回審議会会合を前に実態把握に努めようと行ったもの。委員は、渡辺会長の案内で嵩田側から車両で林道に入った。

 林道沿いには、立ち枯れの状態にあったウラジロエノキの樹木が4、5本あり、このうち1本について渡辺会長は今年6月1日、林道から見えない樹木の裏側に人為的な切り込みの跡を確認している。樹液に集まるクワガタなどの虫を捕るためとみられ、渡辺会長は、皮を剥いだのが枯死の原因ではないかと説明した。

 林道沿いや登山道入り口では、流しの排水口に使う網にパインを入れて結束バンドで枝に結びつけたトラップ、朽ちかけた大木の根元にはパインの残渣(ざんさ)物の跡があった。さらに於茂登トンネル近くの県道から下った沢沿いには、透明のアクリル板に衝突した虫が水の入った箱に落ちる仕掛けもあった。 

 トラップによる採集方法を初めて見たという委員の一人は「そこまでして捕るのか」と驚いた様子。渡辺会長は「現状を考えると一刻も早く対策が必要。保護区域を指定し、生態系を丸ごと保護しないと、天然記念物だけ残って後は何も残らないという状況になりかねない」と危機感をあらわにした。

 市環境課は8月中旬に本年度第1回審議会を開き、自然環境保全計画案の策定を諮問する予定だ。


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