日本が戦後約70年も世界に誇って守ってきた「専守防衛」の憲法の理念を大転換させる集団的自衛権行使の閣議決定を説明する1日の安倍首相を、あのヒトラーにダブらせる人がいた▼クーデター的暴挙で再び「戦争する国」に導きながら、「憲法の平和主義は守る。いかなる事態になっても国民の命と暮らしを守り抜く」と強弁する首相に、ヒトラーもそのようにしてナチ虐殺の戦争に突き進んだのかもしれないと二人の姿が重なったのだろう▼戦争はお互いにヨーイ・ドンで始まるのでなく、知らぬ間に忍びよってくるものといわれるが、今回の閣議決定が実は戦争の始まりだったといわれる時代が来るのだろうか▼しかし行使容認で発足60年間、憲法9条に守られて一人の血も流さず、訓練と災害救助をしていればよかった自衛隊も、いよいよ戦場に派遣され、互いに殺し合うことになる▼そういう武力行使に賛成の方々は、日本を守っている米国のため当然というが、日本は戦後から今日まで沖縄に多大の犠牲を強いて巨大な米軍基地と巨額の予算を提供している▼そこに今回米国の求めに応じ自衛権行使を決めたのだから、当然沖縄の米軍基地は全面撤去されるべきだ。日本を危機に陥れ、沖縄が標的になる集団的自衛権を何とか骨抜きにできないものか。(上地義男)
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