竹富町が2013年3月末、明許繰り越し手続きの遅れから12年度一般会計補正予算を専決処分したことについて、町議会の野党系会派「竹富町未来を考える末広の会」(新田長男会長、議員8人、末広会)は、この明許繰り越し手続きに公文書偽造と虚偽報告の疑いがあるとして、地方自治法一〇〇条に基づく百条委員会を設置して調査を行うことを検討している。
川満栄長町長は「百条委員会は議会の権限。職員はしっかりと法令、条例にのっとって仕事をしている」と述べ、公文書偽造や虚偽報告を否定した。
町農林水産課によると、当局が専決処分した補正予算は波照間製糖工場建設工事の設計監理業務委託費5100万円。
県の一括交付金事業を活用した同工場建設事業費20億3900万円は事前に13年度への繰り越し手続きを取っていたが、同年3月28日に設計監理業務委託費を繰り越していないことが分かり、29日付で明許繰り越しの手続きをとって補正予算の専決処分を行ったとしている。
同補正予算は13年4月12日の臨時議会で全会一致で不承認となっている。
一方、複数の町議や町役場職員などによると、当局が実際に明許繰り越し手続きの書類を作成したのは13年4月1日以降。12年度内に行うべき事務手続きが適正に行われず、手続きを行った日付を改ざんした書類を町議会や県に報告していたという。
末広会はこうした行為は公文書偽造と虚偽報告に当たると主張している。
末広会の町議7人は2日午後、町役場委員会室で記者会見し、新田会長は「川満町長の指示監督のもとで不正が行われたことは間違いないと思慮され、自ら職を辞することをあらためて勧告したい」と述べ、川満町長の対応を見たうえで百条委員会の設置を判断する考えを示した。