「国土強靱(きょうじん)化計画における沖縄からの提案」と題した防災シンポジウムが2日午後、石垣市民会館中ホールで開かれ、市民約20人が参加した。地域防災に対する意識を高めようと、九州大学工学部建築学科などが実施したもので、地震や建築の専門家らが発表やパネル討論を通して地域防災のあり方などを探った。
このうち、都城工業高等専門学校の山本剛准教授は「地震報道とリスクコミュニケーション」をテーマに、災害時における新聞報道の分析結果を発表。被害情報が多い一方で図やグラフなどが少ない傾向を指摘し、「被害が起きる可能性など、リスク情報を加味した適切なコミュニケーションを図るべきだ」と話し、活字を用いた災害情報の共有の必要性を訴えた。
九州大学大学院人間環境学府空間システム専攻修士課程2年の芦田恭子さんは沖縄の地震災害をテーマに講演し、「地震や塩害に備え建造物の補強と補修が重要だ」と話した。
耐震対策や塩害被害への対処法などの発表もあった。
パネル討論では県建設業協会八重山支部の黒嶋克史支部長らが意見交換した。