集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈の変更を閣議決定した安倍内閣に対し、八重山地区労働組合協議会（波照間忠議長）は２日夕、新栄公園内の「９条の碑」前で緊急集会を開いた。50人余が参加し、「明確な憲法違反だ」と抗議し、閣議決定の撤回と安倍内閣の辞任を求める決議を採択した。安倍首相あてに郵送する。
波照間議長は「安倍内閣になってから戦争のできる国づくりが進んでいる。子や孫に戦争をさせてはならず、起こさせてはいけない」と訴え、平和憲法を守る八重山連絡協議会の渡辺賢一会長は「国会論議もなく閣議で決定する安倍政権の暴走を止めなければならない。最後まで諦めず、法改正の段階でつぶそう」と呼びかけた。
参加者とともに「最後まで頑張ろう」と叫んだ八重山戦争マラリアを語り継ぐ会の玉城功一さん（76）は「閣議決定は、憲法を骨抜きにするものだ。今後どうなるか、戦争体験者としては非常に不安だ。戦争を体験しない政治家は、平和憲法のありがたさを忘れ、暴走している。国民は目先の経済の問題で目がくらんでいるのではないか」と怒りをあらわにした。
集会決議は「閣議決定は立憲主義に大きく反するもので、憲法改正手続きをもないがしろにした国民に対する重大な背信行為。憲法の掲げる恒久平和主義、平和的生存権、戦争の放棄などの基本原理を閣議でゆがめる行為は、到底容認できるものではない」としている。