教科書の改正無償化措置法一部施行を受け、竹富町教育委員会(大田綾子委員長)は2015年度の中学校公民教科書を今年9月までに採択。次年度の必要冊数を県・国に報告し、同法の適用を受ける。町教委は本年度まで教科用図書八重山採択地区協議会の採択結果と異なる教科書を使用しており、無償化措置法の対象外とされてきた。同法改正に伴い、単独地区として採択手続きを行うことで次年度以降の公民教科書も同法の対象となる。
町教委教育課(嘉良寧課長)によると、町内の12~14年度中学校公民教科書はこれまで、篤志家から3年間で合計100冊の寄贈を受けてきたが、町教委は7月上旬に設置する町教科書採択審議会(仮称)に中学校公民教科書を諮問、答申を受けて教科書を採択する。
同審議会は慶田盛安三教育長を会長に委員8人を予定。町教委が同審議会に小学校用教科書11種目(教科)とあわせて、中学校公民教科書も諮問し、8月中旬ごろをめどに採択したい考え。
審議会では1教科あたり調査員3人を任命、8月中旬ごろをめどに教科書ごとに順位付けを含めた調査結果の報告を受け、「現場の声を反映させた」(慶田盛教育長)教科書を町教委に答申、採択する手続きとなる。
審議会や調査員については関係者による利益供与や第三者による圧力などを懸念し、採択決定まで審議会は原則非公開、調査員も非公表としている。
嘉良教育課長は「篤志家からの寄付で3年間、町内の生徒に教科書が届けられてきたが、単独地区として採択手続きを踏むことで無償化の対象となるため、作業を円滑に進めていきたい」と話した。