「八重山の人は何を考えているかねぇ」。仕事でよく訪れるある人の言葉だ。無類の酒好きで、来島時には必ず美崎町へ通う▼新石垣空港開港後の観光客の増加ぶりに「ミニバブルじゃないか」と驚きつつも「もったいない」という。飲食店の開店時刻が全体的に遅く、観光客が金を落とすタイミングを逃しているとか▼酒好き男は「観光客は早めに食事するし、一杯飲もうと思っても、スナックなど開店時刻が遅い」と言い、「団体など多くの観光客がホテルの部屋で時間を待つ間に気も変わるし、寝てしまうこともある」らしい▼さらに日曜日休業の店が目立つようで「商売気がないように見える。美崎町の飲食街があと１時間早く動きだせば、すごい経済効果を引き出せるのではないか」と不満げ▼確かに昨年の観光客１人当たりの平均消費額は６万７０００円余で、そのうち飲食費が１万４０００円余、娯楽・入場費関係は７０００円余りで消費の大きな割合を占めている▼だが、開店時刻を早めるのは容易でない。地元客が大半という店が多く、スタートも遅い。さらに託児所など、夜働く女性のための施設も整っていない。観光客は年間94万人を達成しても、消費額は以前の方が多い。不況が長く続いた社会的背景はあるが、財布のヒモをゆるめさせる努力をしているだろうか。（黒島安隆）
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