開会中の竹富町議会(西大舛髙旬議長)は20日夜、最終本会議で野党議員が提案した川満栄長町長に対する辞職勧告決議を野党の賛成7、反対3の賛成多数で可決した。町長に対する辞職勧告決議は初めて。決議に法的拘束力はない。閉会後に川満町長は報道陣の取材に応じ「大変残念だ」と述べた。進退については「後援会とも相談したいと思っているが町議選も控えており、町民が評価する。理解は得られると思う」と述べ、勧告には応じない考えを示した。
決議案は大石功幸氏が提案し、新田長男、島仲秀憲、宮良用範、嘉良直、東迎一博、前泊竹宏の6氏が賛成した。
決議文では専決処分不承認をめぐる地方自治法違反や、5年間にわたって源泉徴収を怠っていた所得税法違反を挙げ、教育委員を選任しないことについても「政治的中立の教育行政に踏み込み、政治の駆け引きに用いた」と指摘。
その上で「危機管理・行政運営能力の欠如、独善的で稚拙とも言える政治手法は調整の停滞と混乱を招き、町民の期待を裏切り続けている」として、辞職を勧告している。
決議を受けて川満町長は「野党の姿勢に納得できない。総括して評価するのは有権者だと思っている。この決議が町民にどのようにとらえられるのかは、9月の町議選の一つの要素になるのではないか」と話し、野党多数の町議会勢力の逆転に期待を寄せた。
また、行政運営への批判については「町民に大きな損害を与えた部分はない。町民のニーズに対応してきている部分が大勢だという認識だ。1町多島の特殊性がある中、限られた人員で最大の努力を発揮しており、町民の理解は得られると考えている」と述べた。