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「ティンダバナ」国の名勝に 与那国町

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国の名勝に指定された与那国町の「ティンダバナ」(県教育委員会文化課提供)

 【那覇】国の文化審議会(宮田亮平会長)は20日、新たに与那国町の「ティンダバナ」を国の名勝に指定するよう下村博文文部科学大臣に答申した。これにより県内の名勝は13件、与那国町では昨年指定の「久部良バリおよび久部良フリシ」についで2件目となる。名勝指定に町教育委員会の崎原用能教育長は「与那国島の歴史や文化を語る上で重要な意義を持っており、町民の誇り。適切な保護と管理を行い、子どもたちの生きた教材として活用したい」と述べた。

 ティンダバナは町の南西部に位置し、島の中心である祖納集落の背後にびょうぶ状にそびえ立つ標高約85㍍の崖で、天然の展望台になっている。眼下には東に宇良部岳、西には東シナ海が一望できる景勝地で、島民の憩いの場となっている。

 展望台近くの岩陰には豊富な湧き水があり、毎年旧暦の8月に行われる島の祭祀(さいし)行事の「アラミディ(新水)」では、年の初めの水をくむ神聖な場所となっている。

 15世紀末期に活躍した女傑「サンアイ・イソバ」の居住地伝承や「イヌガン」と呼ばれる洞窟には、久米島から首里王府へ向かう貢納船が荒天に遭い、与那国島に漂着し、1人の女と1匹の雄犬が岩屋で暮らすようになった犬祖伝説もある。

 県内からはこのほか宮古島市の「東平安名崎」が名勝に、「八重干瀬」が名勝および天然記念物にそれぞれ追加指定された。

 

【外間守吉町長】

 島の神聖な場所が国の名勝に選ばれたことは島の人間として誇らしい。選ばれただけで終わるのではなく、守り伝えていくことが重要となってくる。

【諸見里明県教育長】

 ティンダバナの独特の風致景観は与那国島の精神文化を語る上で重要な意義を持っている。名勝の保護と保存、活用を期待する。


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