石垣市が指定する資源ごみの日(月―水曜日)にアルミ缶など資源物の持ち去りを禁止する一般廃棄物の処理・清掃に関する条例の一部改正案は19日、市議会経済民生委員会(上門孝子委員長、委員7人)で、アルミ缶回収を生活の糧としている生活困窮者らに必要な施策を講じることを条件に全会一致で可決された。採決は24日の最終本会議で行う。
採決に先立ち、慶田盛伸市民保健部参事兼環境課長は生活困窮者の救済策について「(生活保護などの)福祉部門につなげるだけでなく、環境部門も視野に入れて考えたい」と述べ、環境美化を行う有償ボランティアの担い手として生活困窮者を位置づける案などを説明した。
市は、改正案が可決されれば、買い取り業者らを交えて生活困窮者らのアルミ缶収集の実態の把握に努めた上で9月補正予算で対応、11月1日の施行日までに施策を講じたい考えだ。
アルミ缶を集めて一定の収入を得るには相当量を必要とする実態について当局側は「このまま放置することが良いことか」と回収者の労働環境や交通安全面を懸念しており、別の手だてを講じることが回収者のメリットにもなるとしている。
この日の委員会では委員から「条例の趣旨には反対ではないが、実態がはっきりしないと賛成できない」(石垣三雄氏)、「生活困窮者の生活の糧を断つことになる。反対ではないが、時期尚早だ」(池城孝氏)と疑問視する意見が相次いだ。
生活困窮者らに限って収集を認める「ただし書き」を条例に挿入する方法で議論もあったが、当局側は「外見で判断できない以上、ただし書きを適用することは困難」(慶田盛課長)、「抜き取りを禁止する条例が、抜き取りをしてもいいということになり、整合性がとれなくなる」(長嶺康茂市民保健部長)と難色を示した。