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桴海地区、情報格差状態に 北部ブロードバンド事業終了で

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「インターネットに接続されていません」と表示されるパソコン=29日、桴海地区

 石垣島桴海の一部地区が29日、島内情報格差の状態に陥った。石垣市と石垣ケーブルテレビ(ICT)が公設民営で行っていた北部地区ブロードバンド事業のインターネットサービスが終了したため。同地区は唯一、民間通信事業者の超高速光通信網が整備されておらず、他社へのサービス切り替えもできない状況となっている。市が新たな通信手段の確保に動いているが、開始時期は決まっていない。

 ICTのサービスは28日をもって終了、29日午前0時から使えなくなり、パソコンでネットを利用しようとすると、画面には「インターネットに接続されていません」と表示される。住民は「分かってはいたが、ほんとに止まってしまい、びっくりした」と通信インフラのない現実に直面している。

 北部地区では一昨年12月、民間事業者が整備した超高速光ブロードバンドが供用開始されているが、桴海の一部地区は地形上の理由などで光回線を延伸できない箇所となっている。

 住民によると、於茂登トンネル丁字路から浦底農道までの県道79号沿い3・65㌔の区間が光回線サービスのエリア対象外となっている。この区域には6事業所、9世帯がICTに加入してインターネットサービスを受けていた。

 サービス終了に伴い、住民や事業者らは携帯電話の通信容量を拡大したり、通信機能を使ってパソコンやタブレットをインターネット接続させたりするなどして対応しているというが、速度やデータ量に制限がある上、経済的負担にもなるという。

 IT関係の仕事をする住民は「インターネット環境は電気、水、ガスと同じインフラ。ネットワークの性質上、仕事でも生活でも継続して使えないと意味がない。情報インフラがないと、この地域に住めないことになる」と指摘、「ICTから昨年11月にネット停止の通知が来てから1年余り。行政の動きがあまりにも遅い」と憤る。

 北部地区ブロードバンド事業の通信施設は、市が2008年3月までに2億9772万円(国8割、県1割、市1割負担)を投入して整備したもの。ICTと協定を結び、公設民営で事業を展開してきた。

 同地区での今後の通信手段の確保について小切間元樹企画部長兼DX課長は12日の議会一般質問で「(民間通信)事業者と個別に調整している案件があるので内容が固まり次第公表したい」と答弁したが、具体的な時期については「現時点で見通しは持ち合わせてない。引き続き事業者と鋭意調整を図っていきたい」と述べるにとどまった。

 DX課の担当者は28日、取材に「デジタル・ディバイドの解消に努めなければならない。北部ブロードバンドを使った新しい通信サービスに向けて別の民間事業者と交渉しており、早期に開始できるようにしたい」と説明した。


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