JAおきなわが運営する八重山、黒島の両家畜市場で2022年に取引された子牛(黒毛和種)の平均価格はそれぞれ60万9921円、58万7760円となったことが最終の集計で分かった。平均価格は八重山で前年比6万9488円安、黒島で8万4077円安と大幅に下落した。両市場の売上総額も前年比6億150万円減の55億7449万円と落ち込んだ。最高価格は八重山の去勢で165万7700円、雌で1100万9900円、黒島の去勢で220万2200円、雌で108万200円だった。
八重山家畜市場では8368頭が取引され、売上総額50億5197万円。前年は8192頭、55億6571万円だった。
取引頭数は前年比で176頭増えたものの、平均価格が低迷したことで売上総額が5億1374万円減少した。
月別平均価格は去勢が57万円から73万円、雌が45万円から61万円の間で推移した。
奇数月にセリが行われる黒島では892頭が取引され、売上総額5億2251万円。前年は913頭、売上総額6億1338万円だった。
黒島市場は取引頭数、平均価格とも下がり、売上総額が9087万円の減となった。
月別平均価格は去勢が50万円から75万円、メスが42万円から62万円の間で推移した。
両市場ともに夏以降、落札価格が急激に悪化。飼料高騰などとあいまって生産農家の経営に大きな影を落としている。
石垣島和牛改良組合の比屋根和史組合長は「八重山は、最初に値下がりし、回復は最後。本土のセリが回復基調にあるので今が底だと思っている。コロナやウクライナ情勢など今後も何が起こるか分からない。この機会に地元の資源を活用するなど生産基盤の再構築、強化が必要になってくる」との見通しを示した。
来年の初セリは、1月13日から県内トップを切って両市場で行われる。