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ヤマネコ輪禍101件目

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交通事故で死んだイリオモテヤマネコ=23日夜(環境省西表自然保護官事務所提供)

 今年に入ってから4件目となるイリオモテヤマネコの交通事故死が発生した。交通事故で死んだイリオモテヤマネコはオスの成獣で、23日午後7時38分ごろ西表島稲葉林道入り口付近の県道上で倒れているところを通行人により発見された。イリオモテヤマネコの交通事故は統計を取り始めた1978年から101件目となり、うち93頭が死んでいる。25日には同島北岸で別の衰弱個体も保護された。

 イリオモテヤマネコの交通事故は2020年はゼロ件だったが、21年は5件と急増。今年に入っては4件目の交通事故となり、全て死んでいる。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で人の往来が減ったことなどから2019年12月11日から496日間、交通事故は起きていなかった。

 事故死した個体は、オスの成獣で、体重4・6㌔、頭胴長69・2㌢(全長91・5㌢)。発見者から連絡を受けた西表野生生物保護センターの職員が中央線付近にあった死体を回収した。

 死体や現場の状況から速度超過の車両にひかれた可能性があり、道路沿いに繁茂した雑草も事故の一因とみられる。

 同センターで計測、1次検査などを行い、今後は専門家による詳しい死因究明で病理検査、寄生虫検査等を実施するため、鹿児島大学共同獣医学部獣医学科に搬送する。

 25日には、北岸ユツン鍾乳洞駐車場付近でけがをした成獣のオスを保護。体重2・9㌔とやせていたほか、背中の傷口から大量のうみが出た状態で搬送された。今後、治療とリハビリを行ったうえで自然に返される。

 同センターでは、事故現場付近に注意喚起の看板を設置。内野佑弥自然保護官は「事故原因を把握するための検証を実施し、有識者や関係機関と連携して対策の検討を進めたい」とするとともに「これからの時期はヤマネコの行動が活発になる。また、成長した子ネコの行動範囲が広がり事故が起こりやすくなる。看板設置場所付近や夜間は特に注意してほしい」と呼び掛けた。

 同センターでは、事故に遭遇した場合は速やかに24時間対応の窓口(85―5581)へ連絡するよう協力を求めている。


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