防衛省が与那国駐屯地に地対空誘導弾(ミサイル)部隊を配備する方針を固めたことが24日までに分かった。政府が23日閣議決定した2023年度予算案に与那国駐屯地東側の土地18万平方㍍を取得する費用を計上した。同駐屯地を拡張し、将来的なミサイル部隊配備地とする。隊庁舎や火薬庫、覆道射場、しょう舎などの整備も予定する。(9面に関連)
予算案では23年度に配備予定の電子戦部隊関連経費として約38億円も盛り込んだ。同部隊には、第101電子戦隊の一部部隊(約20人)を長崎県の相浦駐屯地から、第301電子戦中隊の一部部隊(約30人)を熊本県の健軍駐屯地からそれぞれ移駐する。
部隊改変に伴い、与那国駐屯地の定員は約170人から約210人となる見通し。
南西諸島の防衛強化を巡り、与那国島では2016年3月に沿岸監視隊が配備され、23年度には電子部隊が追加され、さらにミサイル部隊の配備に向けた準備も進められることになる。
ミサイル部隊は宮古島駐屯地にすでに地対艦ミサイル中隊が新編され、来年3月開設予定の石垣島駐屯地には地対艦・地対空誘導弾部隊も配備されることになっており、国境に接する先島の“要塞化”が一段と加速することになりそうだ。