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ミルクと獅子移設 アラスクヤから公民館へ

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道案内されて新奉納殿前に移される雄雌の獅子頭とミルク面=18日午前、登野城公民館

 230年余りにわたってアラスクヤ(新城家)に奉納されてきた登野城字会(平田勝男会長)の守護神、ミルク「弥勒加那志」と獅子「獅子加那志」が18日、登野城公民館内に新しく設けられた奉納殿に移された。神司、字会役員、獅子保存会会員らが神事を行った後、行列となって両加那志を新奉納殿まで案内した。

 アラスクヤは豊年祭と12年に1度の結願祭などの行事で祭祀を行ってきた場所。ただ、家主が同地におらず、更地に奉納殿だけが残っていた。字会は地主の協力で長年、無償で使用してきたが、結願祭後に奉納殿を取り壊して引き渡すことになっていた。これに向け公民館に新奉納殿の整備を進めてきた。

 この日は午前10時からアラスクヤで関野民子、石垣直子両神司が土地の神様への感謝と新奉納殿への移設の許可とお供を請う祈願を行った後、たいまつを先頭に字会役員、神司、ドラ、ミルク面とミルクの扇子や着物、つえ、げた、獅子雄雌の高炉、雄雌の獅子頭などの順に列をつくり、たいまつで道を照らして米と塩で清め、「弥勒節」を歌いながら公民館まで案内。公民館でも新奉納殿前で祈願を行い、すべての儀式を終えた。

 平田会長は「無事に新奉納殿に移設できてうれしく思う。獅子保存会の大工4人が毎晩頑張って立派な新奉納殿を完成させてくれた」と感謝した。

 弥勒伝承者の新城貞実さんは「引っ越しはうれしいと同時にさみしさもあるが、会長を先頭にここに収めることができた。寒かったけど、獅子加那志、弥勒加那志も温かったと喜んでいると思う」、獅子舞責任者の黒島弘さんも「今後、獅子祭りは公民館で行うことになるが、協力をお願いしたい」と話した。

 移設作業を担当した獅子保存会顧問の上地和浩さんは「これからも安泰をもたらしてくれると思う」として安堵の表情を浮かべた。


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