石垣市内でコンビニ競争が激化する兆しをみせるなか、市内の商店では普段どおりの光景が見られ、近隣の住民や子どもたちが買い物に訪れてゆんたくの花を咲かせている。店主らは、今後も増加することが予想されるコンビニの影響について「商店には地域に根ざした強みがある」、「固定客もおり、そんなに影響はない」と話す一方、「それでも近くにはできてほしくない」と不安そうな本音もポロリ。(高良新輝記者)
市内では、20年以上前に大型スーパーやコンビニができると、「何でもそろって便利」「遅くまで営業している」などと評判を呼び、「まちやー」と呼ばれる小規模の商店からは客足が遠のき、客層は高齢者や子ども、近隣住民に限られていった。
半面、商店を利用する客層が明確になり、その後はコンビニが増えても客層は変わっていないという。
きずな強く
新栄町で通称「フジおばぁーの店」を営む金城藤子さん(76)は「コンビニやスーパーができたことで、客は減ったが、その分近隣住民との絆が強くなり、よく利用してもらっている」と話す。
同商店を利用する女性は「買い物ついでにゆんたくができ、世間話をしながら楽しい時間を過ごすことができる」と商店に通う理由を語った。
住み分けできてる
石垣中学校近くで「はなしろ商店」を営む花城キクさん(73)は「客の多くは子どもたち。総菜などもリーズナブルな価格で提供できており、固定客もいる。いまさらコンビニが増えてもそんなに影響はない」と話す。
日用雑貨などを中心に、精肉や生鮮食品なども取り扱う中型の商店では「コンビニとは取り扱う品の種類が違い、それぞれのニーズがある」とし、この20数年で住み分けができていることを説明した。