豊年祭を前に石垣字会(森永用朗会長)は13、14日、ユーヌシュビ(世の首尾)を宮鳥御嶽で行い、稲刈りを無事に終えた報告と五穀豊穣の感謝を神に祈願した。
字会は11日にスクマアギ(米の初上げ)、13日からユーヌシュビを行い、初日の夜ごもりでは字会役員らが香花、お酒を供え、夜8時ごろから弥勒節やジラバを唄った。2日目の14日午前に行われた朝願いでは山、海の幸をあえ盆に盛った伝統のブンヌスーを神に供えた。
ブンヌスーは高膳四つにそれぞれ9個のわんに盛られる。材料はイシャヌメー(いぼぐさ)、マーミナー(もやし)、サフナ(長命草)、マンジュマイ(パパイア)、インミズナ(スベリヒユ)、スーナ(オゴノリ)が使用されている。真ん中のウフズー(大わん)には全て混ぜたものにきびなごを乗せ、バラザン(わらザン)をかぶせる。材料の仕込みや味付けは婦人会役員が2日間かけて行う。
朝願いでは神司らが拝殿で五穀豊穣への感謝、稲刈りの終了を報告。クワズイモの葉でブンヌスーを包み、神酒とともに供えるなど一連の儀式を終えた。
神司の小川喜美江さんは「ユーヌシュビは最も大切な行事。滞りなく終えることができて本当にほっとした」と安堵の表情、喜瀬悦子さんは「1年の願いの締めくくりができた。これから豊年祭に向けた段取りや準備も始まっていく」と語った。
森永会長は「宮鳥御嶽の神様も喜んでいると思う。こうした大切な行事を字民で伝承し受け継いでいきたい」と話した。