石垣市観光交流協会(会長・中山義隆市長)の友好観光協会、愛知県田原市の渥美半島観光ビューロー(会長・山下政良田原市長)が伊良湖岬・恋路ヶ浜を舞台にした島崎藤村の叙事詩「椰子の実」の再現を目指す「愛のココナッツメッセージやしの実投流」を15日午前、鳩間島沖で行った。コロナ禍の影響で田原市からのツアー客は来島できず、石垣市側の関係者が54個のやしの実を投流、「伊良湖岬に届け」と願った。
やしの実投流はことしで34回目。詩のロマンを再現しようと「遠き島」に見立てた石垣島から毎年、やしの実に「波にのせ想いは遥か恋路ヶ浜」と刻んだ金属プレートを付けて海に投流している。
例年は市の爬竜船競漕大会に合わせて実施していたが、市の非常事態宣言と重なり延期。市観光協の副会長3人、ミス八重山星の砂の杉本優美さんの4人が代理で投流した。
杉本さんは「来年は田原市の皆さんが投流できることを祈っている」とコロナ収束を願った。市観光協の親盛一功副会長は「伊良湖岬に届けと思って投流した。やしの実が来年には到着して、対面式ができたら」と期待した。
市観光協によると19年は1062個を投流し、42個が国内の海岸に漂着。20年は402個で到着ゼロだった。ことし4月には過去2年間の対面式を行った。
やしの実が国内の海岸に流れついた場合、持ち主と拾い主のうち、抽選で選ばれたペア2組が恋路ヶ浜での対面式に招待される。