2014年度から石垣島国営土地改良事業を実施している沖縄総合事務局石垣島農業水利事業所は2021年度、宮良大座地内にある二又配水池の老朽化した送水路の更新や北部、西部地域への送水を行うための大浦地区送水路工事と名蔵3号幹線水路の延伸工事を行う。西部地域のうち川平地区には22年度までに通水が可能となる。昨年4月から運用が始まった底原ダム堤体南側に整備した太陽光発電施設は、計画の9割を発電。売電により8700万円の収入があった。1日、市健康福祉センターで開かれた石垣島国営土地改良事業推進協議会(会長・中山義隆市長)の総会で報告した。
国営事業は、北西部の水源未整備地域に農業用水を供給するためのもので、大浦川地区送水路工事は今年度着手。西部地域向けの名蔵3号幹線水路は川平集落まで伸ばす。
二又送水路は老朽化のため漏水がたびたび発生。新設管はさびなどに強いダクタイル鋳鉄管を利用する。
ダムやせき、揚水機などの基幹水利施設の更新は、調査測量設計業務を実施。22年には順次工事を行う。
石垣島農業水利事業として14件の工事を計画する。
総事業費は281億円で、21年度は24億円。これまでに投入した費用は今年度分を含め144億5600万円になる見通し。
ほ場の区画整理や末端の用水路などについては関連事業の県営、市営の両事業で行う。
21年度は県営7地区352・2㌶、市営7地区89・7㌶の計441・9㌶でかんがい施設などを整備する。
事業費は全体で113億7400万円を予定する。
総会では国へ送付する要請書を確認。例年は中山市長ら役員が関係省庁を訪ねて予算確保を要請するが、今年度は新型コロナウイルスの影響で書類送付のみとする。
農家の同意が得られないことから進捗が遅れている新規地区の関連事業について会員からは「農家の理解を得られるようメリットをしっかり伝えていくことが必要」と指摘する声もあった。