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国内初ポンツーン事業へ JTB沖縄、八漁協が承認

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ポンツーン事業に挙手で賛成する出席者ら。賛成多数で可決された=26日午後、双葉公民館

 八重山漁協(上原亀一代表理事組合長)は26日、双葉公民館で開いた2021度通常総会で、石垣島屋良部半島の大崎海域で国内大手旅行社が計画するポンツーン(浮桟橋)事業を賛成多数で承認した。事業者によると、国内初のポンツーン事業となる。実際の設置・運用まで1年半以上かかる見通し。

 計画しているのは㈱JTB沖縄。担当者によると、新型コロナウイルスの影響で厳しい事業展開を強いられているが、今回の投資案件は継続。「日本で最初の事業として注目されている。グループのネットワークを生かした販促を行う。八重山観光の大きな武器となるよう一生懸命努力する」と説明した。

 説明資料によると、ポンツーンで目指したい姿に▽八重山でのマリン事業の模範となる運営▽旅行者のマナー違反やごみ問題・汚染を抑止する拠点▽自然資源を保護する海面利用の推進▽安全・安心に海を利用できる運営―を挙げ、バリアフリー設計の検討やポンツーン付近でのサンゴ植え付け、ポンツーンを利用した海洋教育の推進などを行う予定。

 ポンツーンは縦27㍍×横50㍍。約330㍍沖合に設置し、本体を中心に半径500㍍の範囲内でシュノーケリングやダイビング、グラスボトムボートなどのアクティビティを計画。ポンツーン内で海中展望室、飲食などのサービスも提供し、更衣室やシャワー室、ロッカーなども完備する。収容人数は300人規模。固定式ではなく移動が可能。台風時や冬場の運休期間には石垣港への退避を想定する。

 八漁協とは、海面利用協力費だけでなく実務委託費用を納める形で共同での取り組みを展開したい考え。具体的な内容については今後、協議する。アクティビティの内容についても事前の相談を行い、許可がない場合は実施しない。

 オーストラリアのケアンズでは、グレートバリアリーフのサンゴ礁と魚を観賞するためのポンツーンが複数あり、20年以上にわたって人気を博しているという。

 JTBはポンツーンの製作をケアンズの業者に依頼。海底の地形などの調査を行った後、設計して製造する。新型コロナの影響で業者による調査時期は確定していないが、現段階では設置までに約1年半を要するという。

 総会では当初、岩礁破砕に伴う議案を挙げていたが、出席者から「この時点で全部を承認するのはリスキーだ」などの指摘を受け、事業実施の賛否のみを問う議案に変更した。岩礁破砕の詳細が確定した段階で再度、特別決議事項として総会に諮る。


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