沖縄振興開発金融公庫八重山支店(前村司支店長)が17日までにまとめた2020年度の融資実績は、新型コロナウイルス関連融資により融資件数、金額ともに大幅増となり過去最高の1171件(前年比113・3%増)、163億9500万円(同186・7%増)を記録した。金額構成比では運転資金が90・6%を占め、コロナ禍の影響で休業を余儀なくされた事業者の資金繰りの苦しさをうかがわせた。現在に至るも収まらないコロナの影響で返済が厳しい事業者も多く、同支店では条件変更の相談なども受け付けている。
前村支店長は「商工会など関係機関や民間金融機関と連携を図りつつ、新型コロナウイルス感染症で影響を受けている事業者などへの資金繰り支援を含め、多様な資金ニーズに対応して円滑な資金供給に努めたい」としている。
20年度の融資実績の資金別では、中小企業資金が前年度比95・2%増の38億1300万円、生業資金が同249・1%増の113億円、生活衛生資金が同2608・0%増の2億3600万円、農林漁業資金が同208・4%増の8億6700万円とそれぞれ大幅に増えた。
業種別では飲食店・宿泊業や卸・小売業、ダイビングなどレジャー関係の観光関連産業で融資が大幅に増えた。
使途別では、例年4~5割で推移している運転資金の金額構成比が9割を超え、設備資金は1割に満たなかった。
石垣市、竹富町、与那国町のそれぞれの商工会が推薦する無担保・無保証のマル経資金と沖経資金は合わせて55件(同45・0%減)、4億600万円(同58・6%減)だったが、3商工会では合わせて143件、15億9200万円の新型コロナ関連融資のあっせんがあった。
教育資金は、156件(同40・0%減)、1億5000万円(同34・0%減)で、国の就学支援新制度の開始により、需要が減少した。