摩訶不思議なことがあるものだ。陸上自衛隊配備が計画される石垣市平得大俣で、これまで確認されていなかったサキシマスオウノキが突如、約284本あるとされた。その群落などは天然記念物に指定されるほど貴重樹種。それらを伐採するのだという▼沖縄防衛局が石垣市に提出した通知書の「伐採及び移植樹木の概要」に記載されている。それには樹齢不明、樹高約9㍍、本数約284本とある▼ところが、防衛局がこれ以前に行った現況調査の報告書には「門名」「科名」「学名」「確認時期」「指定状況」「外来種」などの項目を設けるなどかなり詳細に調査しているが、これには記載がない。本当にあるのか。もしあれば大発見である。調査が必要だ。月曜の7日から防衛局に事実確認を求めているが、いまだ回答がない▼さらに公文書によると、通知書の受理は4月13日付都市建設課、受け付けは翌14日付石垣市役所。つまり市全体で内容を把握して受けたことになるが、案件が各課意見照会の対象ではないため都市建設課のみで処理されたようだ▼都市建設課→市役所→景観形成審議会のチェックの流れでサキシマスオウノキが自生しているかどうかの確認もなく、仮に存在したとしても伐採が認められたことになる▼後は…野にも山にもならない。(比嘉盛友)
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