県八重山事務所と石垣市は2日夜、市内で営業時間短縮や酒類提供停止の県要請に応じていない飲食店に対し、命令措置の事前段階となる文書通知を出した。担当職員らが各店舗を訪れ、要請に応じるよう協力を求めた。
巡回したのは美崎町周辺の居酒屋など10店舗。うち同日午後8時以降に営業していた数店舗に対し通知。県の事前調査と1日に市関係者が行った呼びかけ巡回活動で特定していた。
県や市職員、八重山警察署員の計6人が各店舗を訪れ、代表者らに事情を説明、事前通知書を手渡した。同所によると通知を受けた店舗で酒類の提供が見受けられたという。
通知を受けた店舗の店主は「これまで応じてきたが、営業しないともう生きていけない。心苦しいが、従業員も守らないといけないし赤字も抱えている。20日までときっちり決まっているならば今すぐにでも閉めるが、いつになるか分からない」と窮状を訴えた。
同所によると、一定期間を経て通知に応じなかった店舗に対しては弁明を求める通知書が発出される。県は正当な理由がないとみなした場合、命令に向けた手続きを進める。命令発出後、県のホームページに店名を公表し、過料を科す流れとなる。
同所の笠原容一郎総務課長は「非常に厳しいという辛辣なご意見もあったが、今は心を一つにして乗り越えるとき。これが最後になるように重ねてご理解を求めていく」と語った。