旧暦5月4日(6月13日)の漁業者の伝統行事ハーリー・海神祭(石垣市爬龍船競漕大会)について石垣市ハーリー委員会は「御願バーリー」のみ実施を決定していたが5月31日、2年連続となる競漕大会の中止を決定した。新型コロナウイルス感染拡大と、県内に緊急事態宣言が発令されていることが理由。
同委員会はこれまで、各組の神事と、航海安全と豊漁を祈願する御願バーリーの実施を決定。ほかの本バーリー「転覆」「上がり」は、感染状況を考慮した上で行う方向性だった。マドンナ、中学校対抗、水産関係ハーリーは中止を見込んでいた。
ただ、市内のコロナ感染拡大と、5月23日に沖縄県が緊急事態宣言に突入したことで状況は一変。委員会を開くこともなく、電話連絡のみで大会開催を断念した。船をそろえるスネーも行わない。海神祭の神事は昨年同様に各組で実施可否を決める。
同実行委員長で八重山漁協の上原亀一組合長は「緊急事態宣言の期間ということや県内、石垣市も感染者が増えているので開催を見送ることになり残念だ。みんな御願バーリーぐらいはやりたいと思っていた」と述べ、各地区の神事について「神事をやる分にはいいが、密にならないよう気を付けてほしい」と呼び掛けた。
八重山地方ではこのほか、与那国の久部良自治公民館が海神祭を予定していたが、爬龍船競漕の中止を発表している。