【与那国】祖納集落で10日から18日にかけ、飼い犬8匹と飼い猫1匹の計9匹が下痢や嘔吐の症状で死んでいたことが確認された。死因は不明で、町は住民に注意喚起を行っている。八重山警察署も死因などの調査を進めている。
町によると不審死の情報は17日以降、飼い主や近隣住民から寄せられた。犬8匹は町民6人がそれぞれ飼育。主に室外で飼われていた。中には飼っていた犬が2匹とも死んだ事例も。症状はいずれも血の混じった嘔吐、下痢という共通点がある。同様の症状があって体調が回復した犬もいた。
町は18日夕方、各家庭に設置されている防災無線で注意喚起。「ペットに異変を感じたら連絡を」「亡くなった犬がいたら窓口に来て」など呼び掛けた。注意喚起は20日まで行う予定。
毎年、獣医師が島に出張して行う狂犬病予防接種は26、27日に予定していたが、今回の不審死を受け6月8、9日への延期が決まった。
まちづくり課の担当者は「死因は調査中で何も言えない状況」とした上で「全て祖納地区。同じタイミングで自然に死ぬことはないと思う」と話した。町内での犬の登録件数は4月末時点で85頭。
祖納で犬を室内管理している60代男性は「感染症じゃないかと言われているらしいが、死に方が普通じゃない。毒殺の可能性もある」と指摘。別の30代男性は「感染症かわからないが、過去には猫を殺す人もいた。家畜以外の動物を意図的に殺すことは普通の感覚だとできない」と懸念した。
八重山署によると、関係機関から不審死に関する連絡を受け17日から死因などの調査を実施。死んだ犬に目立った外傷はなく、現時点で不審者情報も寄せられていないという。