ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)が「消滅の重大な危機」としている八重山の言葉についてまとめた「しぅまむにたんごちょう初級―石垣島四か字言葉編―」がこのほど沖縄県文化観光スポーツ部文化振興課から発行されたことを受け、編集者の石垣市文化協会(江川義久会長)は17日、市教育委員会に500部を寄贈。市内小中高校や保育園、図書館などで「大いに活用してもらいたい」と期待した。
この単語帳は沖縄県しまくとぅば普及センター(波照間永吉センター長)が実施する「しぅまむに検定」に向けて作製されたもの。県内では本島中南部、本部町に次いで3番目の発行となる。
同センターと石垣市文化協会すまむに部会(黒島健部会長)が編集。しぅまむに五十音引きと共通語引きの2部構成、日常生活で使用される750単語が収録されている。とのしろ学童クラブとみかわ学童クラブの子どもたちが描いたイラストが使用され、親しみやすいデザインとなっている。
すまむに部会の黒島部会長は昨年度のしまくとぅば県民意識調査の結果について触れ「八重山は親しみを持っている地域としてトップである反面、取り組みは一番低い。今手を打たないと消滅してしまう」と危機感をあらわにし、「八重山文化の基層をなすしぅまむに。子や孫に語り継いでいけるよう今後も皆さんと力を合わせたい」と語った。
石垣安志教育長は「貴重な資料となる単語帳を寄贈していただき感謝したい。各学校でも子どもたちを指導する際、一つ一つ言葉を確認しながら伝えていくことができる。大いに活用させていただきたい」と感謝した。
単語帳は1500部発行。今後市教委を通して市内小・中・高・特別支援学校、幼稚園、保育園などに寄贈されるほか、12月に市内会場で実施が予定されている「しぅまむに検定」受験者に無償で配布される。波照間センター長は「今回は石垣島四か字言葉編だが、今後各地域からの要望があればセンターとしても発行に向け取り組んでいく」と語った。