八重山そばには欠かせない香辛料の「ピィパーズ」。一方、建物の壁などにはわせて直射日光を防ぐ緑のカーテンは、植物の蒸散作用で涼しさを呼ぶなどして生活環境を快適にし、地球温暖化防止にも効果があるといわれている▼八重山出身者らで組織する「ピィパーズを生かす会」(山城直吉会長)は、2006年から沖縄本島で普及活動に取り組んでおり、各地での植栽をはじめ、食材としての提供、加工販売などの活動がいま注目を集めている▼先日は、山城会長と西表秀夫副会長が西原町中央公民館主催のいきいきシニア講座「文教大学」に招かれ、講話。虫がまったくつかず、台風にも強い特性を示しながら県内産の原料不足の現状を説明し、有望な食材であると強調した▼同会は増産プロジェクトとして、小中学校などでの植え付けを奨励している。PTA活動として位置づけ生葉や生実は収穫して加工業者に販売し、子どもたちの派遣費用などに充てる。公民館や福祉施設でも可能な活動である▼山城会長は「ピィパーズはいったん根付くと上へ上へと広がるのでとても縁起がいい。各家庭に一本でもいいから植えてほしい」と呼び掛けている▼八重山の先人たちが育み伝えてきたピィパーズ。グリーンカーテンと貴重な食材として八重山の香りの有効活用に期待したい。(鬚川修)
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