石垣市トライアスロン協会(福里清作会長)は25日、一般選手が出場する石垣島トライアスロン大会の再開に向けたモニタリング試走会を明石海岸スタート、市中央運動公園ゴールの約51・5㌔のコースで実施した。大会出場経験者30人に試走してもらい、「魅力あるコース」と高い評価を得た。石垣市は8月をめどに、ワールドカップ開催の有無を含めた判断を示すことにしており、福里会長は「大会の復活に生かしてもらいたい」として近く試走結果を市に報告する予定だ。
■「魚がみえた」
試走コースは、協会がさまざまな検討を重ねた結果、「石垣島らしいコース」として設定した。
スイム会場は明石小学校の芝のグラウンドから防潮林内にある緑のトンネルを抜けた明石海岸。防波堤に囲まれた登野城漁港内と違って広々としており、「この広さだと1周回で1・5㌔のコースが取れる。監視もしやすくなる」と協会関係者。
実際に泳いだ参加者は「部分的に流れがきついところもあったが、魚も見えたので楽しめそう」「漁港内だと混雑して、蹴られたり、つかまれたりしていたが、ここだとストレスがない。水もきれいで透明度もよい。気持ちよく泳げた」と話した。
■山あり海あり
バイクは同小学校から国道390号を南下、南ぬ島石垣空港手前の大里を右折して県道大浜富野線を直進し、於茂登、開南、石垣島製糖前を通過して海岸線に出るコース。
於茂登岳に向かって下ったり、上ったりと起伏に富む。沿道にはサトウキビ、パイン、水田などが広がる。海岸に近づくと、竹富島や西表島がくっきりと見えてきた。
参加者は「山も海もあって飽きない。楽しめるコース。五輪距離(51・5㌔)にこだわらず、バイク距離をもっと長くしてもよい」と要望する一方、「アップダウンがきついので初心者向けではない」とも指摘した。
続くランは運動公園の外周。「ぐるぐる回るだけなのできつい」との声が漏れたが、協会関係者は「ここだと応援がしやすい」と話し、沿道の応援で最後の力を振り絞ることができるコースになると確信した。
■復活に向けて
一方、今回のコースで開催するには▽選手や自転車の輸送▽大会規模▽開催時期―などの課題が挙げられている。
輸送問題はバスを確保すれば解決できそうだが、スイム会場の施設環境や自然環境、監視態勢を考慮すると、数百人程度が妥当と協会はみる。
難題は波。満潮になる時間や北風が吹く時期は、リーフから入ってくる波でうねりが出るため、「かなり泳力がないと難しい」として開催時期の検討が必要になると指摘する。当日の状況によっては、バイクとランのみのデュアスロンに変更することも選択肢の一つとした。