竹富町観光協会(上亀直之会長)は本年度、滞在型の観光を推進するため、町内の宿泊施設の空き部屋の数や浴室、トイレなどの設備について観光客に情報発信するシステムを構築することになった。「旧暦」を意識した観光商品の開発にも着手。サガリバナや祭りなど島に宿泊することによって楽しめる観光商品に「旧暦」の表示も行い、宿泊客の確保につなげたい考え。
同町の2013年の観光入域客数は105万7120人。南ぬ島石垣空港開港効果で前年を17万6405人(20%)上回り、5年ぶりに100万人を突破した。ただ、日帰り観光が多く、宿泊施設の利用はほぼ横ばい状態。
同協会は22日、石垣港離島ターミナル会議室で通常総会を開き、上亀会長は「宿泊施設の情報を提供できるシステムを構築し、島に滞在しないと体験できないプログラムを作ることで、宿泊客を増やしていきたい」と述べた。
宿泊施設に関する情報発信を行うシステムは一括交付金(沖縄振興特別推進交付金)を活用して実施。同協会が宿泊施設にタブレット端末を配布して空き部屋の数や客室に関する情報を収集した後、ホームページ(HP)にアップする仕組みを構築していく。
同協会は本年度、「観光客誘致・受入対策事業」を計画。旧暦を観光資源と位置付け、旧暦に合わせて行われる行事を紹介するほか、サガリバナの開花やホタルの見ごろ、星空などを旧暦で表示した観光商品を開発し、ほかの観光地との差別化を図りたい考え。
島の自然や地域住民との交流を体験する「竹富島学校事業」、世界水準の観光リゾート地の実現に向けた「観光人材語学研修支援事業」も実施する計画。