【那覇】竹富町が3市町で構成する八重山採択地区協議会の答申と異なる東京書籍版を使用し、採択地区からの離脱を要請していた八重山地区中学校公民教科書問題で、県教育委員会(宮城奈々委員長、委員6人)は21日の定例会で、同町を単独採択地区とすることを正式決定した。石垣市と与那国町は八重山採択地区となる。竹富町は2014年度に行う小学校教科書採択から単独で行うことになる。県は同町の教科書調査研究支援を目的に近く八重山教育事務所に指導主事1人を配置する予定だ。
諸見里明教育長は定例会後、「決定に安堵(あんど)している。文科省には、(竹富町教育委員会へ)違法確認訴訟を発しないようお願いしたい。速やかに混乱した状態が収束するように期待している」と述べた。22日に文部科学省に報告し、理解を求める。
県教委は定例会で、竹富町から提出された「地域の自然、文化、歴史、教育環境など教育環境にマッチした教科書採択が望ましい」とする要望を尊重。公立学校がある六つの島の独自性と特異性などに配慮し、石垣市と与那国町とは異なる状況にあるとして単独採択を認めた。
採択地区の再編は、八重山教科書問題を受け、国が教科書無償措置法を改正し、市町村単位で教科書採択ができるようになったため、可能となった。宮城委員長は「今後、各採択地区で適正に教科書の採択が行われ、平穏な中で子どもたちの学習が行われることを望みたい」と述べた。