去る4月15日の市内大川のユーグレナモール内での火災発生を受け、石垣市と市消防本部は15日午前、消防車や救急車など大型緊急車両が同モール内を通過でき、円滑に消火活動を行えるかを確認した。その結果、以前は店舗敷地外にあった障害物が撤去され、スムーズに通れるようになった場所もあったが、依然として陳列棚などがせり出している店舗もあり、緊急時の避難・安全確保への課題が残った。
今回の訓練は、アーケード内の各商店に詳細を伝えず抜き打ちで実施、消防車が進入してくると慌てて陳列棚を店舗内に引き入れる店員の姿も見られた。
消防車はアーケードを通り抜けることはできたが、本来、十分な幅員がありながら、通路にせり出した障害物が邪魔をし、他の消防職員の誘導で慎重に進まざるを得なかった。
市消防本部の大浜武消防署長は「通り抜けることはできたが、現場到着に時間がかかる。ホースの移動や消火活動にも支障を与えかねないので改善が必要」と話した。
市商工振興課の天久朝市課長は「多くの市民や観光客が利用する場で安全確保は重要。道路の幅員をしっかり守ってもらわなければ困る」とし、商店街や市消防本部、八重山警察署交通課などと連携し、対策を講じる考えを示した。
このほか、アーケードの東側と西側の道路では違法駐車が多く、大型の緊急車両がアーケード内に進入する際の障害になっている。
同モールでは、去る4月15日の火災で、消火のため八重山郵便局側からモール内に入った市消防本部の消防車が、途中の駐車バイクや店舗の看板が障害となり、現場に近づけない事態となった。
火災後、市商工振興課や同本部などが指導を行い、火災時に指摘された場所は改善されたが、他の場所では看板や商品の陳列棚がせり出した状態が続いていた。