来年2月23日告示、3月2日投開票の石垣市長選で革新野党側の選考委員会のメンバーらが11月30日、市観光交流協会の創立50周年式典参加で帰省していた前市長の大浜長照氏(66)と意見交換していたことが分かった。大浜氏は候補の1人に挙がっている有力人物。出馬できるかどうか、可能性を見極める話し合いだったとみられる。前日の祝賀会で大浜氏は、創価学会名誉会長である池田大作氏の発言を引用したあいさつをした。選挙をにらみ公明党を意識した発言と受け止められており、出馬に前向きだとの見方が広がっている。
関係者によると、選考委員の市議らは30日午前、大浜氏と面談した。市民党的な組織体制、後継者の育成、大浜氏が勤める国頭村立東部へき地診療所の後任など、出馬できる環境にあるかどうか現段階での具体的な課題について意見を交わしたようだ。
これに先立つ祝賀会でのあいさつで大浜氏は、池田氏が1974年2月3日に来島した際、「八重山は日本のハワイ」などと発言した内容を引用して高く評価した。
これについて複数の出席者は「明らかに公明党を意識した発言。出馬要請を受諾するのではないか」と話す。
選考委の関係者は「まだそういう状況ではない」と否定するが、条件が整えば擁立する可能性が高まりそう。早ければ、今月中には結論が出るとの情報もある。
選考委員会の代表を務める高嶺善伸県議は2日、「私の立場では記者会見でしか発表できない。ただ、保革を超えた人を候補者として出そうと話を進めており、大詰めの段階にきている」と述べるにとどめた。
一方、現職の中山義隆氏(46)を支える自民党石垣市支部(支部長・砂川利勝県議)の内部は、「人選作業をすべきだ」「現職でいくべきだ」と対立しており、一枚岩になっていない。同支部は近いうちに再度、会合を開き、協議する見通しだ。
4日開会する市議会12月定例会は、市長選に向けた最後の議会となっており、中山氏が出馬の意志を表明するかどうかが焦点の一つ。内部に火種を抱えたまま表明すれば、対立が決定的になるおそれがある。