石垣市川平底地ビーチ付近の浅瀬で2日午前8時ごろ、小型のクジラが迷い込んでいるのが見つかった。発見した石垣シーサイドホテルの宿泊支配人、高橋謙一さん(42)らが数時間に及ぶ救出活動を実施。イルカ&クジラ救援プロジェクト(安田雅弘代表)の協力を得て、同日午後3時すぎに無事沖合に戻すのに成功した。
同プロジェクトによると、このクジラはハクジラ亜目コマッコウ科コマッコウ属に属するコマッコウか、オガワコマッコウで、子どものクジラとみられている。
体長2.5㍍から3㍍で、頭部にサメにかまれた跡があったほか、腹部にサンゴ礁の擦過痕があった。
クジラは高橋さんが出勤前に発見。同僚と3回ほどロープで沖合に引っ張って救出を試みたが、そのたびに浅瀬に戻った。
その後、干潮となり、座礁に近い状態になったため、高橋さんらが宿泊していた水族館関係者のアドバイスを受け、クジラにタオルをかぶせ、数時間にわたって水をかけるなどして乾燥を防いだり、体が横倒しになって窒息しないようにした。
同プロジェクトのメンバーらが正午前にかけつけて応援。潮が満ちてきた午後2時すぎ、クジラの胸びれにタオルとロープを巻き付け、ジェットバイクで沖合に移動させたところ、沖に向かって泳いでいったという。
数時間にわたってクジラを介抱した高橋さんは「こんなことは初めて。クジラのケガが心配だが、無事に群れに戻ってほしい」と感想。安田代表は「サメにかまれ、サンゴで傷ついたケガが気になるので、あすも確認に行きたい」と話した。